熊本の弁護士 たんぽぽ法律事務所

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熊本日日新聞に弁護士寺内大介のインタビューが掲載されました

ニュース2015.06.26

 たんぽぽ法律事務所の弁護士寺内大介(熊本県弁護士会の憲法委員会委員長)が、安保法制について熊本日日新聞からインタビューを受けました。

  立憲主義ないがしろ

 集団的自衛権の行使を可能にする安保法制は実質的な憲法9条の改定だ。にもかかわらず、政府は立法措置で乗り切ろうとしており、立憲主義をないがしろにしている。
 立法や法改正は「必要性」と「許容性」が求められるが、今回の安保法制整備はいずれの面でも問題だ。  
 まず、必要性について政府は説明責任を果たしていない。米ソの冷戦体制が終結して東西陣営の衝突の危機がなくなった今、日本が集団的自衛権を行使しなければならない国際情勢があるのか。中国の脅威や半島有事を挙げる人もいるが、それは集団的自衛権を行使するような危機とは思えない。  
 仮に必要性があったとして、憲法の解釈変更で集団的自衛権の行使は許されない。96条に基づく改正手続きを経ないのは憲法や立憲主義の軽視だ。弁護士会としてそこを問題視している。  
 憲法の肝は武力に頼らずに平和を守ることだ。それを変更し、軍事力で平和を保つ国を目指すのなら、憲法改正を議論すべきだ。解釈変更と法改正はごまかしに過ぎない。  
 自衛隊による「後方支援」も「現に戦闘が行われていない地域」などといっても敵国からすれば日本も戦争に参加しており、新たな攻撃の対象となるだろう。隊員の危険性は飛躍的に高まる。  
 憲法を無視し、死を伴うリスクを高めるのが今回の安保法制。弁護士会として署名集めを続け、国会や政府に声を届けたい。
 (聞き手・中村勝洋) 
 (2015年6月24日 熊本日日新聞より)